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2013年2月21日 (木)

食べ物と料理(5) Food and cooking(5)

 「おばんざい」って何でしょうか?

 検索すると、こんなふうに書かれています。

「昔から京都の一般家庭で作られ、食されてきた和食の惣菜のことで、味付けは京都風に薄味である。近年ではヘルシーなイメージから人気が高まっており、惣菜店で販売されたり、京都をはじめとする飲食店で看板メニューとして提供する店が増えている。」

「近頃やたらともてはやされているが、何のことはない、常々京都の家庭で作られていた料理のことである。今更あらためて人様にご紹介するようなご馳走ではなく、金に糸目を付けず山海の珍味を手間暇かけて調理したものでもなく、また晴れの日にしか食べなかった贅沢なものでもない、はやりのグルメ指向とは本来は対極のものである。」

 要は、普通の家庭で普通に作られて食べられてきたものということです。私の両親は父方は大阪と京都の中間あたり、母方は京都府北部出身で、一時京都市内で暮らしていたこともありますので、私の幼少時に食べた惣菜が「おばんざい」にあたるのではないかと思います。ただし、おばんざいという表現は両親や祖父母からは全く聞いたことがありません。

 思い起こしてみると、今となっては相当に伝統的というか、古式ゆかしいというか、大時代的な食生活をしていたように思います。カレーライスなどは幼稚園あたりから食べていましたが、そこに入っているニンジンは金時人参でした。当時は今のニンジンをわざわざ「洋ニンジン」と称して区別していました。また、ダイコンも「丸大根」がかなりの割合を占めていました。ピーマンよりも伏見唐辛子という甘い品種が一般的でした。キャベツさえも食べる機会が少なく、お好み焼きか、味噌汁か、ぬか漬けが主流でしたが、小学校高学年になってやっと野菜炒めや八宝菜を食べる機会ができ、キャベツを多く食べるようになりました。また、生野菜を食べる習慣が無く、レタスを初めて口にしたのが中学生の頃です。そのせいか、今でも生野菜はどちらかと言えば苦手です。

 これに対して、根菜類はかなり豊富。大根(長・丸)、金時人参、小芋(サトイモの事です)、カブラ、ゴボウ、レンコン、ヤマイモ(丸いやつ)、ジャガイモ、サツマイモ、クワイ、ユリネなど、今よりも頻繁に食べていたように思います。そういう意味では、あの時代の関西地方は根菜王国だったのかも。。。

 私は何年か単身赴任をしており、その間自炊もしました。手抜き料理も随分作りましたが、小さい頃に母に作ってもらった料理を思い起こしながら作ったりもしました。そんな料理を少しご紹介しましょう。

<豆の炊いたん>
材料:大豆、昆布、れんこん、こんにゃく、にんじん、ごぼう、干し椎茸
調味料:薄口醤油、砂糖、だしの素、日本酒
ひと言:大豆の大きさに合わせて材料を細かく切って炊き上げるのがポイントですが、昆布が溶けやすいので、少し大きめに切ります。ひねり昆布でもかまいません。大豆は前日にぬるま湯に浸しておきます。一般的な名称である「煮豆」とは呼ばず、「豆の炊いたん」と呼んでました。

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<かす汁>
材料:酒かす、牛肉、だいこん、にんじん、油揚げ、こんにゃく、ごぼう
調味料:白味噌(もしくは麦味噌)、日本酒
薬味:青ネギ、唐辛子
ひと言:具沢山の味噌汁を作るつもりで仕上げますが、白味噌もしくは麦味噌の量を普通の味噌汁の半分くらいに減らし、かわりにたっぷりと酒かすを入れて溶かします。真冬の定番料理で、身体が温まります。

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<白菜とまぐろの煮物(左側)>
材料:白菜、まぐろ、油揚げ、卵
調味料:薄口醤油、みりん、だしの素、日本酒
ひと言:砂糖や水は加えず、白菜から出る甘みや水分を生かして仕上げます。卵はそのままでも溶いてもどちらでもかまいません。

<ふきと油揚げの煮物(右側)>
材料:ふき、油揚げ
調味料:薄口醤油、みりん、だしの素、日本酒
ひと言:ふきの風味を生かすため、あまり煮過ぎないようにします。

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<ハチクの煮物>
材料:ハチク、高野豆腐
調味料:薄口醤油、みりん、だしの素、日本酒
ひと言:ハチクはあくが少ないため、あく抜きはいりませんが、収穫後なるべく早く調理した方が新鮮で美味しいです。若布を入れても合います。

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※なお、煮物関係は、「煮物」という現在一般的である呼び方は一切しませんでした。そもそも「煮る」という動詞はほとんど使わなかったように思います。ご飯を炊く・おかずを炊く・・・と同じ、「炊く」という表現が一般的でした。このため、これらの料理の表現も、「たけのこの炊いたん」「白菜の炊いたん」「ふきの炊いたん」と呼んでいました。


<なすびの焼いたん>
材料:長茄子
調味料:醤油、しょうが、鰹節
ひと言:茄子はできるだけ細長い品種が向いています。網で焼いて流水を掛けながら皮を剥き、しょうがをおろして振りかけ、食べる直前まで冷蔵庫で冷やしておきます。なお、この料理も決して焼き茄子とは呼ばず、「なすびの焼いたん」です。蛇足ながら、「なす」ではなく、必ず「なすび」と呼びます。

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<小鯵の酢漬け>
材料:小あじ
調味料:りんご酢
ひと言:シンプルな料理です。小あじのはらわたを取って素焼きにし、りんご酢に浸して冷蔵庫に入れておくだけです。36時間以上経つと骨まで柔らかくなって食べられます。
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 いかがでしょうか?あなたのイメージするおばんざいとは、違っていますか?

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