« 現代用語の基礎知識(4)「おたく」 | トップページ | ゴールデンウイーク Golden Week »

2013年5月 2日 (木)

現代用語の基礎知識(5)「見れる」

 私の持っている中で一番デカい望遠レンズ。焦点距離が300ミリあります。さらに世の中にはテレコンバーターという便利なものがあり、私の持っている1.7倍のものを装着すると焦点距離は実に510ミリ!! カメラに取り付けると1015倍の望遠鏡相当となり、かなりの距離からでも遠くの人や物の様子を間近に見れます

Dsc_0007

このような望遠レンズを使ってオジロワシを撮ると、こんなふうに見れます

Dsc_0742

 さて、この「見れる」という表現、結構目の敵にする人もいるようなんですが、どうなんでしょうか?いわゆる「ら」抜き言葉の問題で、「見られる」が正しいとする意見です。でも、個人的には私は「見れる」で全く抵抗がありません。というか、かなり幼少の頃から使っていたような覚えがあり、関西では一般的な表現です。

 この場合の「見れる」は、可能を表す表現です。すなわち、「見ることが出来る」という意味です。そもそも「られる」という助動詞は非常にあいまいで、可能・受身・尊敬・自発と、4つもの意味を持ちます。このため、文脈を見ないと判断できないこともあります。

(可能)A君は望遠鏡を持っていたのでオジロワシを見られた。⇒見れた。
(受身)オジロワシは飛んでいるところをA君に見られた。
(尊敬)先生はオジロワシが飛んでいるのを見られた。
(自発)その場所ではオジロワシが見られた。

 このうち、①の可能を表す場合のみ、ら抜き言葉にすることが出来ます。①可能と②受身は非常に頻繁に使いますので、①だけでも、ら抜きの方がよく分かっていいと思うのです。
 実はこのあたりの表現、一般にあいまいだと思われている関西弁の方がむしろきちんと言い分けられ、整理されています。すなわち・・・


(可能)A君は望遠鏡を持っていたのでオジロワシを見れた。
(受身)オジロワシは飛んでいるところをA君に見られた。
(尊敬)先生はオジロワシが飛んでいるのを見はった。
(自発)その場所ではオジロワシが見えよった。


ということになります。
 平成7年の国語審議会の折、この「ら抜き」言葉に一定の見解が与えられました。すなわち、「共通語では改まった場での使用は認知しかねる」という見解です。また、ら抜き言葉を日本語の乱れと見る論調も目立ちます。しかしながら、ら抜き言葉は最近広がり始めた若者言葉などではなく、むしろかなり古い時代から地域的に使われてきたもので、しかも理にかなった合理的な表現でもあります。今までにも述べたように、私は何でもかんでも一方的に標準に合わせるという考え方には反発を感じます。おそらく、ら抜き言葉は今後ますます広まり、定着していくでしょう。これは歓迎すべきことだと思うのですが・・・。

|

« 現代用語の基礎知識(4)「おたく」 | トップページ | ゴールデンウイーク Golden Week »

いろんなもの」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/584080/56902438

この記事へのトラックバック一覧です: 現代用語の基礎知識(5)「見れる」:

« 現代用語の基礎知識(4)「おたく」 | トップページ | ゴールデンウイーク Golden Week »