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2013年5月29日 (水)

野菜・果物の花(2) Flowers of Vegetables & Fruits(2)

 レタスの花です。この植物はキク科で、黄色く小さい花を朝短い時間だけ咲かせます。原産地は地中海沿岸~西アジアとされています。

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 実は私、レタスを初めて食べたのが中学生の頃です。私が生まれ育った地域はあまり生野菜を食べる習慣がなく、今でも私は生野菜が苦手です。なので、沖縄でレタスの入ったそばを前にしたとき、非常に嬉しかったおぼえがあります。そう、レタスも出来れば煮込んで食べたいです。
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 レタスの食べ方、欧米では生食中心でサラダやサンドイッチが多いですが、中国をはじめとしたアジアでは加熱調理中心です。日本でも以前は加熱調理が主流でしたが、現在では沖縄を除き、ほぼ生食が主体になってしまいました。もっとレタスの加熱調理を流行らせてほしいと思うのは私だけでしょうか。。。レタスの味噌汁、美味しい!!!(゚д゚)ウマ-

 なお、世界のレタス生産量は2010年のFAO統計によると2400万トン、生産量の多い国は以下のとおりで、ここでも圧倒的に中国が目立ちます。日本は6位と健闘しています。

   1 中国   1257万トン
   2 アメリカ  395万トン
   3 インド    99万トン
   4 イタリア  84万トン
   5 スペイン  80万トン
   6 日本    53万トン

 ところでレタスの和名はご存知ですか?萵苣(ちしゃ)といいます。ずいぶん難しい漢字ですね。パソコンで入力するのに苦労しました。これはもとをたどれば乳草(ちちくさ)からきており、レタスの切り口から出る白い液体によるものです。この液体には苦味があり、「ラクチュコピクリン」と呼ばれるポリフェノールの一種です。ラクチュコピクリンには、軽い鎮静作用・催眠促進の効果があるので、レタスをたくさん食べると、よく眠れるかも。。。


 レタスと来れば、次はやはりキャベツですね。ごらんのとおり、クリーム色の花を咲かせます。

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 キャベツの生産量は全世界で5800万トン、このうち2500万トンがやはり中国なんです。中国ってすごい国なんですねぇ。次回は中国が1位でない野菜を探さねば。。。

 ちなみに2位インド(640万トン)、3位ロシア(270万トン)、4位日本(220万トン)、5位韓国(200万トン)と、日韓が頑張っているように見えるんですが、FAOの統計も結構いい加減で、この数字にはハクサイのデータも含まれているようです。

 さて、レタスの和名は萵苣(ちしゃ)でしたが、キャベツは何と言うでしょうか???
 これも一般には聞きなれないですねぇ。甘藍(かんらん)と言います。また、ドイツ語ではKohl(コール)。1982~1998年の16年間にわたってドイツの首相を務めたヘルムート・コール氏の姓はまさにキャベツ。そのためか、この人の頭はキャベツに良く似ていた・・・なんてことはありませんよ(ll-艸-) コール氏は首相在任当時、その巨大な体型から「洋梨(Birne)」と呼ばれ、直情径行の人でした。

 話をキャベツに戻しましょう。なんでキャベツはあんなに丸い形をしてるんでしょうか?キャベツだけでなく、レタス、ハクサイ、そしてタマネギやニンニクも葉が集まって球形になります。

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 このような形態になる野菜はたいていが地中海沿岸~西アジアが原産地となっています。キャベツも同様です。この地域は夏の乾燥が非常に厳しく、その間水分を体内に保持する必要があります。このためもともと結球する性質を持っていたようです。その上に長い間の品種改良の努力により、今のような形が出来上がったといえます。

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2013年5月25日 (土)

野菜・果物の花(1) Flowers of Vegetables & Fruits(1)

 実は私の仕事は農業関係…なのにここのところ、そういった内容をあまりアップしていませんでした。そこで、少しは農業に関係のある内容を何回かに分けてアップしてみようと思います。

 皆さん方、野菜は好きですか?たくさん食べてます???普段あまり見かけない、野菜の花をご紹介していきます。。。

 まず、トップバッターはじゃがいもです。

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 2010年のFAOのデータを見ると、世界のジャガイモ生産量は3億4千万トン。国別の生産量ベスト3は1位中国(7500万トン)、2位インド(3700万トン)、3位ロシア(2100万トン)だそうです。ちなみに日本は29位(230万トン)です。

 ジャガイモの原産地は南米アンデス山脈の高地とされています。16世紀にスペイン人によりヨーロッパに伝えられましたが、この時に運搬中の船内で芽が出たいもを食べて食中毒が発生したので、「悪魔の植物」と言われていました。じゃがいもの緑色の部分には猛毒があることは、良く知られていますよね。なかなか普及しなかったのですが、18世紀半ばには当時のフランス国王ルイ16世が、王妃マリー・アントワネットの髪にじゃがいもの花を飾らせ、「王妃が身につけた花」としてたちまちフランス全土に広まったという逸話もあります。以後、紆余曲折を経てジャガイモはヨーロッパ人にとってなくてはならない重要な食料となって行きます。

 ところが、事件が起こったのは19世紀半ば、1845~1849年の4年間にわたりヨーロッパ全域でジャガイモ疫病が大発生し、特にアイルランドでは100万人以上という大量の餓死者を出しました。このためアイルランドからは200万人以上の人々がアメリカ、カナダ、オーストラリア等へ移民として出て行くこととなりました。特にアメリカ合衆国に渡ったアイルランド人移民は政治・経済面で大きな影響力を持ち、ジョン・F・ケネディ、ロナルド・レーガン、ビル・クリントンといった大統領も輩出しています。元をたどれば現在のアメリカ合衆国が形成されるきっかけとなったのは、このときのジャガイモ疫病による飢饉であったといえるかもわかりません。

ところで、皆さんはじゃがいもをとのくらい食べていますか?一人当たりの全世界の平均は年間29キログラム、日本人は25キログラム(1日に約70グラム)だそうです。
 ちなみに最も多いのはベラルーシの184キログラム、続いて、スロベニア、ラトビア、ポーランド、ウクライナ、ロシアなどが120~150キログラムで上位を占めます。美食のイメージがあるフランスは70キログラムと、日本人の3倍なので、やはりヨーロッパはじゃがいもの国なんですね。


 さて、ジャガイモと来れば、次はやはりサツマイモです。

 サツマイモの花を見てみてください。何かに似ていませんか?アサガオです。。。

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 実はサツマイモはヒルガオ科。アサガオと同じ仲間なんです。サツマイモも原産地は南米大陸。ただしジャガイモのような高冷地ではなく、ペルーの熱帯地方です。これもスペイン人らにより東南アジアに伝えられ、その後各地に広がっていきました。

 サツマイモは2010年FAOの統計によれば世界の生産量は約1億トン強。そして驚くべきことに中国が8100万トンと、極端に中国に集中しています。ただし、調理して食べるのではなく、酒類などの加工原料用が多いようです。ちなみに日本は世界12位と、意外に健闘していますが、生産量は86万トンで、中国と比べるとごくわずかです。

 サツマイモの花、日本では沖縄まで行かないと見れません。この花は鈍い短日性、すなわち、かなり長期間にわたって昼間が短い状態に置かないと咲かないんです。このため、秋遅い時期につぼみをつけることになりますが、熱帯植物であるため、その頃にはサツマイモは枯れてしまいます。沖縄であれば暖かいので、晩秋になっても青々と茂っており、花を見ることが可能です。

 サツマイモという呼び名は17世紀に日本に導入されて以降、薩摩(鹿児島県)で多く栽培されたことによるものです。現在でも日本国内の生産地は鹿児島・宮崎・千葉・茨城に集中しています。いずれも火山灰土地帯で、柔らかく水はけの良い土地柄でないと、育ちにくいようです。

 なお、サツマイモにはカリウムと食物繊維が非常に多いという特徴があります。カリウムは血圧の低下、食物繊維はコレステロールを吸着しますので、コレステロール値の低下に有効です。

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2013年5月22日 (水)

新緑(3) The fresh green(3)

 これは鳥取県伯耆大山のブナ林。石仏が並んでいます。

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 この石仏は、いつの時代からここにいるのでしょうか?おそらく何百年もの間、この場所で人間の往来を見てきたことでしょう。
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 林床には水分が豊富なので、見事なスギゴケがびっしり生えているような場所もあります。

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 そして、このブログでもたびたびご紹介している、春の女神といわれるギフチョウ。伯耆大山は多雪地帯であるため、5月の初旬に発生します。

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2013年5月21日 (火)

肉食系・・・ Meat eater...

 食べられてしまいそうな迫力・・・(´゚Д゚`)

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2013年5月19日 (日)

新緑(2) The fresh green(2)

 島根県大万木山は、多雪地帯であるため、ブナの樹形も雪の影響を受けて、様々な形に分かれたり折れ曲がったり…。自然の造形を見てみてください。

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2013年5月16日 (木)

新緑(1) The fresh green(1)

5月は新緑の季節です。冬の間、寒さに耐えてきた木々が芽吹き、萌えるようにその枝葉を伸ばします。

 何年か前の島根県大万木山のブナの巨木の写真をお目にかけましょう。。。

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 ブナは日本を含む温帯域に生育する落葉高木です。非常に大きくなり、高さ30メートルに達する場合もあります。かつては東北地方や日本海側の山地に広範囲に純林を形成していましたが、材質が腐りやすく、また加工後に曲がって狂いやすいため、下等な材とされ、戦後大規模に伐採されてスギやヒノキの人工林に替わってしまいました。

 しかしながら、ブナの果実が多くの哺乳類の餌となること、ブナ林の保水力が著しく、洪水を防ぐ作用が大きなダムをもしのぐこと等がわかり、また最近では合板技術が発達し、加工材としても使われるようになってきています。1993年には青森・秋田県境の白神山地がユネスコ世界遺産に登録され、そのブナ原生林の美しさが世に知られるようになりました。日本の財産ともいえる樹木です。

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2013年5月12日 (日)

イエローバンド Yellow band

<緊急アップロード!!!>

 この週末、5月11日(土)~12日(日)は、劇的に天候が変化しました。土曜日は雨。。。しゃあないので職場で残務整理。寂しい限りでした。そして、日曜日。。。晴れそうな気配だったので、人に言えないような時間に家を出て、人に言えないようなスピードでクルマを飛ばし、人に言えないような時間に長野県の北部、北アルプスの麓の白馬村まで辿り着きました。
 ごらんのようにちょうど田植時期。。。実に美しい農村風景です。

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  実はこの村にも、春の女神といわれるギフチョウがいるんです。ギフチョウについては4月の半ば頃に2回に分けてご紹介しました。白馬村のギフチョウは通常はゴールデンウイーク頃に発生するため、人が多くてとても見に行く気にはなれません。でも、雪の多い年には5月の10日過ぎに発生します。今年の冬はかなり雪が多かったようで、ちょうど狙い目でした。。。

 で、やっぱりいました。というか、この一帯にはギフチョウがものすごく多いです。常に視界のどこかにギフチョウが飛んでいる感じ。。。こんなに多いところは日本中探してもそんなに無いのではないでしょうか?

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 ところで、下の写真のギフチョウ、よく見て下さい。妙に華やかな色合いではないですか?

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 アップにします。特に後翅の縁毛がすべて黄色くて、翅が浮き出ているように見えませんか?最初の写真と比べてみて下さい。普通、ギフチョウの後翅の縁毛は黄と黒のまだらの阪神タイガース状態。。。ところがこの個体は縁毛がすべて黄色です。

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 ギフチョウは原始的なアゲハチョウの仲間で、世界中で分布しているのは日本の、それも本州だけです。その中で結構いろいろな変異型が見られます。このような縁毛すべてが黄色く縁取られるタイプは「イエローバンド」と呼ばれ、昔からマニアに珍重されてきました。このタイプは白馬村だけでしか見られず、おまけに白馬村のギフチョウの約1割くらいでしょうか?ともかく、滅多に見られないものです。

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 私は蝶に興味を持ち始めた高校生の頃から、この「イエローバンド」の存在を知っていましたが、白馬村は遠く、学生の身分では気軽に訪れることは出来ませんでした。以来30数年間、生きたイエローバンドは見たことがありませんでしたが、今日、初めて逢えました。非常に満足です。。。

このメスも縁毛がかなり黄色っぽいですね。。。
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 国鳥のキジも見られました。この鳥、かなりハデですね。。。

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 というわけで、今日のお昼は白馬村の美味しい十割蕎麦と山菜の天婦羅。。。そしてまた人に言えないようなスピードで自宅まで帰り、今日の写真を緊急アップロードしました。

 さて、祝杯でもあげるかな。。。o(*^▽^*)o

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2013年5月 9日 (木)

ゴールデンウイーク(2) Golden week(2)

 ゴールデンウイークの後半、私は石垣島に滞在していました。最近の石垣島は、以前(といっても30年以上前なんですが…)とはかなり違っています。空港も新しくなったし、店もハイカラなところが増えたし、垢抜けて来たように思います。

 ただ、当時は全く無かった石垣牛の焼肉屋がやたら増えたり、サーモン・イタリアン・創作沖縄料理など、考えられないものを食べさせられたり、時代の変化なのでしょうがないとは思うのですが、やはり以前のてびち・ヤギ汁・中味の世界が非常に懐かしいです。

 というわけで、石垣島の夜の食事が期待できなくなった今、黄昏時の生物を撮影しに行くのが私にとってベストな選択かと思います。狙うターゲットはヤエヤマヒメボタル。この種類は石垣島・西表島に分布し、3~6月にかけて発生するようですが、最も多いのはちょうどゴールデンウイークの頃です。最近ではホタル観賞ツアーが設定されたり、認知されつつありますが、まだまだ一般観光客が押し寄せるような状況ではありません。

 で、石垣島の某所(あえて詳しい地名は申し上げません)にこの時期毎夜出現するヤエヤマヒメボタルです。

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 日本のホタルはゲンジボタルにせよ、ヘイケボタルにせよ、幼虫が水中に生息するため、水際に多く見られます。ところがこのような生態を持つ種類はホタルの世界ではむしろ異端者、石垣島のヤエヤマヒメボタルをはじめとして、ジャングルのそこかしこに発生するのが熱帯・亜熱帯のホタルの一般的な生態です。暗い樹林内に一面に発生するので、かなり数も多く、一斉に光り始めると壮観です。ただ、発光するのは日没直後のわずか30分間のみ。雄が雌を見つけるための重要な時間ですので、ホタル観察のため山間の林道にクルマで入る際には、発光時間には決してヘッドライトをつけないよう、お気を付けください。

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2013年5月 5日 (日)

ゴールデンウイーク Golden Week

 ゴールデンウイーク。。。皆さん、どこかへ出掛けました?それとも自宅派?まあ、人それぞれの過ごし方でいいんではないかと思います。私は連休前半に奈良市内へ出掛けました。。。

 春日大社の近くには、そこかしこに藤の花が咲いています。ちょうどこの時期に満開となるようで、なかなか美しい風景でした。春日大社の吊灯篭と藤の花。絵になる景色です。

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 藤の花はなかなかの集合美。。。折り重なって咲く様子が幻想的です。

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 あえて単独で咲いている花房にピントを合わせてみました。バックは池の水面です。ちょっと赤みがかった藤の花。バックの水面から浮かび上がり、今回お気に入りの一枚です。

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 ところで、たいていのカメラマンは藤棚や藤の花にひたすらレンズを向けているんですが、私の狙いはこれ…クマバチです。このハチは結構身体も大きく、ブンブンと強烈な羽音をたてて藤棚の周りを飛びます。よほど藤の花が好きなのか、藤棚があると必ずといっていいほど、飛び回っています。それにしてもまぁ、他の観光客やカメラマンの中で一人だけ30分以上もクマバチを追っていると、完全に変なおじさん状態です・・・(笑)

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 おそらく縄張りを作ってるんだと思いますが、ホバリング(空中で静止したまま飛ぶ)がよく見られます。豪快な羽音を立てるので、観光客の人たちはたいていこのハチを避けて通ってましたが、見掛けよりも性格はおとなしく、ほとんど刺すことはありません。このため思い切って近付いても大丈夫です。アップにすると手足を揃えて、行儀の良いハチですね。。。

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 藤の花が写ってれば良かったんですが、なかなかいいアングルになりませんでした。また今度、頑張ってみます。。。

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2013年5月 2日 (木)

現代用語の基礎知識(5)「見れる」

 私の持っている中で一番デカい望遠レンズ。焦点距離が300ミリあります。さらに世の中にはテレコンバーターという便利なものがあり、私の持っている1.7倍のものを装着すると焦点距離は実に510ミリ!! カメラに取り付けると1015倍の望遠鏡相当となり、かなりの距離からでも遠くの人や物の様子を間近に見れます

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このような望遠レンズを使ってオジロワシを撮ると、こんなふうに見れます

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 さて、この「見れる」という表現、結構目の敵にする人もいるようなんですが、どうなんでしょうか?いわゆる「ら」抜き言葉の問題で、「見られる」が正しいとする意見です。でも、個人的には私は「見れる」で全く抵抗がありません。というか、かなり幼少の頃から使っていたような覚えがあり、関西では一般的な表現です。

 この場合の「見れる」は、可能を表す表現です。すなわち、「見ることが出来る」という意味です。そもそも「られる」という助動詞は非常にあいまいで、可能・受身・尊敬・自発と、4つもの意味を持ちます。このため、文脈を見ないと判断できないこともあります。

(可能)A君は望遠鏡を持っていたのでオジロワシを見られた。⇒見れた。
(受身)オジロワシは飛んでいるところをA君に見られた。
(尊敬)先生はオジロワシが飛んでいるのを見られた。
(自発)その場所ではオジロワシが見られた。

 このうち、①の可能を表す場合のみ、ら抜き言葉にすることが出来ます。①可能と②受身は非常に頻繁に使いますので、①だけでも、ら抜きの方がよく分かっていいと思うのです。
 実はこのあたりの表現、一般にあいまいだと思われている関西弁の方がむしろきちんと言い分けられ、整理されています。すなわち・・・


(可能)A君は望遠鏡を持っていたのでオジロワシを見れた。
(受身)オジロワシは飛んでいるところをA君に見られた。
(尊敬)先生はオジロワシが飛んでいるのを見はった。
(自発)その場所ではオジロワシが見えよった。


ということになります。
 平成7年の国語審議会の折、この「ら抜き」言葉に一定の見解が与えられました。すなわち、「共通語では改まった場での使用は認知しかねる」という見解です。また、ら抜き言葉を日本語の乱れと見る論調も目立ちます。しかしながら、ら抜き言葉は最近広がり始めた若者言葉などではなく、むしろかなり古い時代から地域的に使われてきたもので、しかも理にかなった合理的な表現でもあります。今までにも述べたように、私は何でもかんでも一方的に標準に合わせるという考え方には反発を感じます。おそらく、ら抜き言葉は今後ますます広まり、定着していくでしょう。これは歓迎すべきことだと思うのですが・・・。

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